http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20130605002
June 5, 2013
イスラエルのパークレンジャー、ヨラム・マルカ(Yoram Malka)氏は2011年、イスラエル北部のフラ渓谷を車で走っているときに、そのカエルが道路を横切って跳ねていくのを一瞬目にした。だがそれだけでマルカ氏には、それが特別なカエルだと分かった。
即座に車を停め、運転席から転がり出ると、カエルに飛びついた。カエルはマルカ氏の手の中に収まった。
カエルの背中にはまだら模様、黒い腹には白い斑点があった。それは大半の科学者が、半世紀以上前に地球上から姿を消したものと考えてきた“絶滅種”、パレスチナイロワケガエルだった。
パレスチナイロワケガエルは実際、両生類の中で絶滅が公式に宣言された最初の種だった。絶滅宣言は1996年だが、マルカ氏が2011年に再発見するまで60年以上、生きた個体は見つかっていなかった。
イスラエルの大学、ルッピン・アカデミー・センターの河川生態学者サリグ・ガフニー(Sarig Gafny)氏は、マルカ氏から携帯電話で送られたカエルの写真を目にして、「手に持っていたものを全部落とした」と回想する。
「熱があることも忘れて車に飛び乗り、北に2時間走ってカエルをこの目で見た」。
◆かつては繁栄していた種
再発見前にパレスチナイロワケガエルの姿が最後に確認されたのは、フラ渓谷の湿地が干拓された後の1955年のことだった。2004年になってから、このカエルを探索する現地調査が開始されたが、成果は上がらなかった。
しかし、2011年の再発見以降、ガフニー氏らの研究チームはさらに何匹かを発見した。現在までに確認されているパレスチナイロワケガエルの個体数は14匹に上る。
フラ渓谷にはこのカエルが100~200匹生息しているかしもれないと、ガフニー氏は推測する。一度は絶滅したと考えられた種としては悪くない数だが、かつての生息域や個体数に比べれば、非常に減少していると科学者は考えている。
最近の標本をもとに、DNAと骨格の形態について詳細な研究が行われている。エルサレム、ヘブライ大学の古生物学者で、ガフニー氏らと共にこのカエルについての論文を執筆しているレベッカ・ビトン(Rebecca Biton)氏は、こうした研究に基づき、この種は、かつて西方スペインにまで至るヨーロッパ全土に生息していたラトニア(Latonia)属のカエルの最後の生き残りであるとの結論を下した。
パレスチナイロワケガエルは、1940年代に初めて発見されたときには、イロワケガエル(Discoglossus)属に分類されていた。
ラトニア属のカエルの化石は、イスラエルでは200万年前のものが見つかっている。しかし、この属のカエルは1万年以上前に絶滅したものと考えられてきた。
◆「生きた化石」
パレスチナイロワケガエルは、現在ではいわゆる「生きた化石」の珍しい例と考えられている。生きた化石とは、数百万年以上同じ形態を保ち、近縁種がほとんどあるいはまったく現存しない生物のことだ。
現在、「生きた化石」は十数種しか知られていない。最も有名なのは古代魚シーラカンスだろう。シーラカンスの祖先は恐竜の時代にまでたどることができる。
両生類生存連合(Amphibian Survival Alliance)のクリエイティブ・ディレクターを務めるロビン・ムーア(Robin Moore)氏は、パレスチナイロワケガエルの再発見を「信じられない」出来事だと話す。
「自然は、機会さえあれば回復できることを示す現実の証拠だ」。ムーア氏は、失われた両生類の探索プロジェクトを率いている。
「科学者は、何かが絶滅したと宣言するときは、慎重の上にも慎重になる。だから私たちも、このカエルの絶滅を確信していた」
◆危険は去っていない
パレスチナイロワケガエルが再発見されたとはいえ、両生類はなお、世界中で危険にさらされているとムーア氏は指摘する。生息域が破壊され、汚染や病気や気候変動に襲われているのだ。
同時に、このカエルのような成功物語は、人々が必要とする希望を与えてくれるとムーア氏は話す。
「何をしても種の救済には手遅れだというメッセージを送るのは危険なことだ。それを聞いた人々は何もしようとしなくなる」。
ガフニー氏の研究チームは現在、パレスチナイロワケガエルの研究継続に必要な資金を調達しようとしているところだという。このカエルの研究は、まだ「白紙」だとガフニー氏は話す。
「パレスチナイロワケガエルの生活史については、何も分かっていない。夜行性なのか、いつ、どのように繁殖するのか、オタマジャクシはどのような姿なのか、私たちは何も知らない」。
ガフニー氏らがパレスチナイロワケガエルの再発見について詳細に解説した論文は、オンライン科学誌「Nature Communications」に6月4日付けで掲載された。
“あなたは、頭を見て、あなたが考えて歯を取得すると ‘今すぐことが1つの平均に見える魚だ、'”と彼は付け加えた。
それはネス湖の怪獣に関係の理論のように我々はどのようなのに最終的には、セントアンドリュースシーライフセンターでは、あなごウナギとして恐ろしいクリーチャーを同定した。